【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
車に乗込み、チラチラと雪ちゃんを盗み見る。
「江奈」
名前を呼ばれ、またドキッとする。チラチラ見てたの、バレたかな。
「それ、中身はなぁに?」
持っていたお弁当を指差される。良かった。違った。
「おにぎりの中身ですか?えっと……梅干しと昆布とサケです。おかずは玉子焼きと、ウインナー」
内容を聞いた雪ちゃんはちょっと考えて、「昆布のおにぎり頂戴♡」と言って手を出した。
「あ、はい」
私はガサガサと、昆布と書いたおにぎりを手に取り、アルミホイルを剥いて食べやすい形にしてから、雪ちゃんに手渡した。
「うん。良い塩加減ね。美味しい」
一口食べて、雪ちゃんが頷く。
「良かったです。あ、玉子焼きも食べますか?」
「ええ」
私は雪ちゃんからおにぎりを受け取り、玉子焼きをピックに刺して渡した。
「うん。これも美味しいわね。アタシ玉子焼き大好きなんだけど、甘さが丁度良いわ。江奈が作る物って、アタシの好みピッタリね」
「それは良かったです」
なんだか、凄く嬉しい。
「……なんか、ピクニックみたいで楽しいですね。お天気も良いし」
「あー、ホントね。どうせなら、そこの公園にでも行けば良かったかしら」
そこの公園、とは、昨日出掛けた時にたまたま見付けた公園。
「いえ。私は車の中でも十分です」
「そう?」
「はい」
雪ちゃんにおにぎりを返し、私も『サケ』と書いたおにぎりを食べた。
もう一度、チラッと雪ちゃんを見ると嬉しそうにおにぎりを食べている。
(どこでも、好きな人と一緒なら楽しいし幸せ)
言葉には出来ないから、心の中で呟いた――。
「江奈」
名前を呼ばれ、またドキッとする。チラチラ見てたの、バレたかな。
「それ、中身はなぁに?」
持っていたお弁当を指差される。良かった。違った。
「おにぎりの中身ですか?えっと……梅干しと昆布とサケです。おかずは玉子焼きと、ウインナー」
内容を聞いた雪ちゃんはちょっと考えて、「昆布のおにぎり頂戴♡」と言って手を出した。
「あ、はい」
私はガサガサと、昆布と書いたおにぎりを手に取り、アルミホイルを剥いて食べやすい形にしてから、雪ちゃんに手渡した。
「うん。良い塩加減ね。美味しい」
一口食べて、雪ちゃんが頷く。
「良かったです。あ、玉子焼きも食べますか?」
「ええ」
私は雪ちゃんからおにぎりを受け取り、玉子焼きをピックに刺して渡した。
「うん。これも美味しいわね。アタシ玉子焼き大好きなんだけど、甘さが丁度良いわ。江奈が作る物って、アタシの好みピッタリね」
「それは良かったです」
なんだか、凄く嬉しい。
「……なんか、ピクニックみたいで楽しいですね。お天気も良いし」
「あー、ホントね。どうせなら、そこの公園にでも行けば良かったかしら」
そこの公園、とは、昨日出掛けた時にたまたま見付けた公園。
「いえ。私は車の中でも十分です」
「そう?」
「はい」
雪ちゃんにおにぎりを返し、私も『サケ』と書いたおにぎりを食べた。
もう一度、チラッと雪ちゃんを見ると嬉しそうにおにぎりを食べている。
(どこでも、好きな人と一緒なら楽しいし幸せ)
言葉には出来ないから、心の中で呟いた――。