【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
雪ちゃんの、あの混乱が見える場所。それでいて何かあった時にすぐに対処出来る場所……。
私は何か手掛かりがないかと、過去の記憶を呼び起こす。
「あ……」
そう言えば以前、雪ちゃんの部下がミスをして、帰り際に慌てて雪ちゃんを追いかけて来た事があった。
あの時の雪ちゃんは確か、私を秘書課まで迎えに来てくれたりしていたから雪ちゃんが部署を出て結構な時間が経っていたはず。それなのに雪ちゃんの部下は、タイミングよく玄関を出る直前に私たちに声を掛けて来た。
何故か。
「海外事業部から正面玄関が見えるからだ……!」
海外事業部から玄関が見えるならば、正面玄関からも海外事業部が見えるって事だ。そこから慌てふためいている雪ちゃんを見てほくそ笑んでいるかもしれない。
それに、玄関付近に居れば何かあった時にすぐに逃げられもする。
(多分…いや、絶対にそうだ!)
私はそこに一縷の望みを賭け、もつれる足をなんとか踏み留まらせて、正面玄関へと急いだ。
私は何か手掛かりがないかと、過去の記憶を呼び起こす。
「あ……」
そう言えば以前、雪ちゃんの部下がミスをして、帰り際に慌てて雪ちゃんを追いかけて来た事があった。
あの時の雪ちゃんは確か、私を秘書課まで迎えに来てくれたりしていたから雪ちゃんが部署を出て結構な時間が経っていたはず。それなのに雪ちゃんの部下は、タイミングよく玄関を出る直前に私たちに声を掛けて来た。
何故か。
「海外事業部から正面玄関が見えるからだ……!」
海外事業部から玄関が見えるならば、正面玄関からも海外事業部が見えるって事だ。そこから慌てふためいている雪ちゃんを見てほくそ笑んでいるかもしれない。
それに、玄関付近に居れば何かあった時にすぐに逃げられもする。
(多分…いや、絶対にそうだ!)
私はそこに一縷の望みを賭け、もつれる足をなんとか踏み留まらせて、正面玄関へと急いだ。