【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
「ちょっとごめん!」
不意に後ろから声が聞こえ、振り向いた。
「江奈っ!」
「雪ちゃん!」
野次馬を掻き分け、雪ちゃんが私の側に駆け寄って来る。
「あれ、笹木……?」
雪ちゃんが眉間にシワを寄せ、なんとも言えない顔をした。
「うん。あの写真を送り付けて来たのも、笹木の仕業だったの」
「やっぱりそうだったのね」
雪ちゃんもどうやら気が付いていた様だ。
「それより、雪ちゃん大丈夫?」
「ええ、なんとか……」
そうは言っているけど、大丈夫じゃない気がする。かなり揉みくちゃにされた様で、いつもピシッとなっているスーツがヨレヨレだ。
「アンタ、こんな卑劣なやり方で満足なワケ!?江奈を取られたのがそんなに悔しかったんなら、正々堂々と勝負してみなさいよ!」
雪ちゃんが笹木に向かって叫んだ。雪ちゃんの声も、ロビーにこだまする。
すると、「なんか、津田部長の喋り方、オネエみたいじゃなかった?」と野次馬の中の誰かが言い出し、辺りがどよめく。
「確かに」
「え、じゃああのメールってマジなん?」
「イタズラとかじゃなかったんだ?」
「マジで?」
ロビーがザワ付き始めた。野次馬達がこちらをチラチラ見ながらヒソヒソと何かを話している。
よく聞こえはしないけど、心無い言葉を言われていたらどうしよう…雪ちゃんが傷付いたらどうしよう…と胸が苦しくなった。
雪ちゃんをこんな事に巻き込んでしまったのは私。あの時、笹木の事を言わずに別れていれば、雪ちゃんはまだまだ平穏な日々を過ごせていたハズなのに……。
不意に後ろから声が聞こえ、振り向いた。
「江奈っ!」
「雪ちゃん!」
野次馬を掻き分け、雪ちゃんが私の側に駆け寄って来る。
「あれ、笹木……?」
雪ちゃんが眉間にシワを寄せ、なんとも言えない顔をした。
「うん。あの写真を送り付けて来たのも、笹木の仕業だったの」
「やっぱりそうだったのね」
雪ちゃんもどうやら気が付いていた様だ。
「それより、雪ちゃん大丈夫?」
「ええ、なんとか……」
そうは言っているけど、大丈夫じゃない気がする。かなり揉みくちゃにされた様で、いつもピシッとなっているスーツがヨレヨレだ。
「アンタ、こんな卑劣なやり方で満足なワケ!?江奈を取られたのがそんなに悔しかったんなら、正々堂々と勝負してみなさいよ!」
雪ちゃんが笹木に向かって叫んだ。雪ちゃんの声も、ロビーにこだまする。
すると、「なんか、津田部長の喋り方、オネエみたいじゃなかった?」と野次馬の中の誰かが言い出し、辺りがどよめく。
「確かに」
「え、じゃああのメールってマジなん?」
「イタズラとかじゃなかったんだ?」
「マジで?」
ロビーがザワ付き始めた。野次馬達がこちらをチラチラ見ながらヒソヒソと何かを話している。
よく聞こえはしないけど、心無い言葉を言われていたらどうしよう…雪ちゃんが傷付いたらどうしよう…と胸が苦しくなった。
雪ちゃんをこんな事に巻き込んでしまったのは私。あの時、笹木の事を言わずに別れていれば、雪ちゃんはまだまだ平穏な日々を過ごせていたハズなのに……。