【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
「そりゃー江奈っちが迂闊だったわね」

ハナちゃんがお腹を抱え、ケラケラと笑う。

「だぁって!雪ちゃん、しつっこいんだもん!」

「そんなの分かっていた事じゃない」

「そうなんだけどさぁ……」

私はなんとなく納得が行かず、ボールの中のサラダをガッシガッシと混ぜ合わせた。

今日は久々に、『ハナちゃん先生の料理教室』を開催中。ハナちゃんはお店をやっているだけあって、料理がとても上手。なので、たまに教えてもらっている。

「そう言えば、江奈っちはずっと雪ちゃんのマンションに住んでるの?」

使い終わった器具を洗いながらハナちゃんが聞いて来た。

「うん、そう。色々解決したから自分のアパートに帰ろうと荷物纏めてたら、雪ちゃんが見事に拗ねちゃって……」

ハハハ、と溜め息混じりに笑う。

「いーじゃない。どうせ結婚したらあそこに住むんでしょ?」

「え、うーん……」

そう、なのかな?

「あれ?違うの?だってこの間、ご両親に挨拶して来たって言ってたじゃない?」

「あ、それはそうなんだけど……」

「じゃあ良いじゃない?」

そうなんだけど、なんとなくケジメとして、さ……。
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