【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
時計を見ると、お昼休みはあと10分程度で終了と告げている。
(もう少し、お話していたいなぁ)
そう思いながら、会社へと続く道へ抜ける。向こうの方にちらほらと、うちの制服を着た女子社員達が足早に会社へ向かう姿が見えた。
津田部長もそれが見えたのか、一瞬で『海外事業部・津田部長』の顔付きに変わる。
(あ、いっもの顔に戻っちゃった)
なんだか名残惜しい様な気がして、ガッカリする。
「……もっと一緒にいたいなぁ」
ボソッと呟く。
「ん?何か言ったか?」
言葉使いも、完璧だ。
「あ、いえっ。別に……」
「そうか?」
「はい……」
別に今生の別れでもないのに、離れたくない、と言う衝動に駆られる。そんな事を悶々と考えている内に、いつの間にか会社のロビーに到着していた。
「美園さん?」
「はい?」
「ボーっとしてるけど、時間は大丈夫か?」
え?と思い、時計を見る。お昼休みは残り5分を指していた。ボーっとしてる暇はなかった。
「大丈夫です!津田部長も、早く行って下さい!」
「すまない。じゃあここで」
「はい!ありがとうございました!」
津田部長は少し急ぎ足でエレベーターに乗り込み、自分の部署へと戻って行った。
それを見届け、私も秘書課直通のエレベーターへ乗り込む。本当は社長専用エレベーターなんだけど、秘書課の私達も乗る事を許可されていた。
「はぁ。なんだか寂しいなぁ……」
今まで何の接点もなかった癖に、急接近したらこんな気持ちになっちゃって……。
「大丈夫か?私……」
チンッと、目的の秘書課へ到着した事を知らせる。私は、「よしっ!」と気合いを入れ、エレベーターから降りた。
(もう少し、お話していたいなぁ)
そう思いながら、会社へと続く道へ抜ける。向こうの方にちらほらと、うちの制服を着た女子社員達が足早に会社へ向かう姿が見えた。
津田部長もそれが見えたのか、一瞬で『海外事業部・津田部長』の顔付きに変わる。
(あ、いっもの顔に戻っちゃった)
なんだか名残惜しい様な気がして、ガッカリする。
「……もっと一緒にいたいなぁ」
ボソッと呟く。
「ん?何か言ったか?」
言葉使いも、完璧だ。
「あ、いえっ。別に……」
「そうか?」
「はい……」
別に今生の別れでもないのに、離れたくない、と言う衝動に駆られる。そんな事を悶々と考えている内に、いつの間にか会社のロビーに到着していた。
「美園さん?」
「はい?」
「ボーっとしてるけど、時間は大丈夫か?」
え?と思い、時計を見る。お昼休みは残り5分を指していた。ボーっとしてる暇はなかった。
「大丈夫です!津田部長も、早く行って下さい!」
「すまない。じゃあここで」
「はい!ありがとうございました!」
津田部長は少し急ぎ足でエレベーターに乗り込み、自分の部署へと戻って行った。
それを見届け、私も秘書課直通のエレベーターへ乗り込む。本当は社長専用エレベーターなんだけど、秘書課の私達も乗る事を許可されていた。
「はぁ。なんだか寂しいなぁ……」
今まで何の接点もなかった癖に、急接近したらこんな気持ちになっちゃって……。
「大丈夫か?私……」
チンッと、目的の秘書課へ到着した事を知らせる。私は、「よしっ!」と気合いを入れ、エレベーターから降りた。