【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
ストーカー男・笹木の強行
恐怖
キーンコーンカーンコーン――。
終業を知らせるベルが鳴る。時計を見ると、いつもの様に17時を指していた。
「もう終わりか」
私は「んん~」と唸りながら伸びをする。
「あ~っ!……さてと!今日は残業もないし、帰ろっかな」
カバンを手に取り、いそいそと帰りの身支度を整える。
「あ、そう言えば」
と、咲希子が急に何かを思い出した様に、カラカラとキャスター付きの椅子ごと私の所へとやって来た。
「なによ」
「さっき、アンタがお昼から帰って来るちょっと前に、アイツ来てたわよ」
咲希子のその言葉に、ギクッと手が止まる。
「……マジ?」
「マジマジ」
「何しに?」
「津田部長との事、聞きに来た」
私は、ガクッと項垂れる。来るかな?と多少の予測はしていたものの、まさか数十分後にやって来るなんて……。早過ぎはしないか?
「あっと言う間に広まったみたいね、アンタと津田部長の事」
咲希子は、持っていたボールペンを鼻と上唇に挟み、椅子の背もたれをキコキコと揺らしている。私はそれを見ながら、「呑気でいいな、コイツは……」と思った。
「ケータイに電話とかなかったの?」
「今日、慌てて家出て来て忘れた」
「あー……。じゃあ、着信凄い事になってるかもねぇ」
「やーめーてー」
咲希子の言葉に、背筋がゾッとする。
「気を付けなさいよ。早く帰らないとまた来るかもよ」
咲希子の台詞に、ガバッと時計を見た。
終業を知らせるベルが鳴る。時計を見ると、いつもの様に17時を指していた。
「もう終わりか」
私は「んん~」と唸りながら伸びをする。
「あ~っ!……さてと!今日は残業もないし、帰ろっかな」
カバンを手に取り、いそいそと帰りの身支度を整える。
「あ、そう言えば」
と、咲希子が急に何かを思い出した様に、カラカラとキャスター付きの椅子ごと私の所へとやって来た。
「なによ」
「さっき、アンタがお昼から帰って来るちょっと前に、アイツ来てたわよ」
咲希子のその言葉に、ギクッと手が止まる。
「……マジ?」
「マジマジ」
「何しに?」
「津田部長との事、聞きに来た」
私は、ガクッと項垂れる。来るかな?と多少の予測はしていたものの、まさか数十分後にやって来るなんて……。早過ぎはしないか?
「あっと言う間に広まったみたいね、アンタと津田部長の事」
咲希子は、持っていたボールペンを鼻と上唇に挟み、椅子の背もたれをキコキコと揺らしている。私はそれを見ながら、「呑気でいいな、コイツは……」と思った。
「ケータイに電話とかなかったの?」
「今日、慌てて家出て来て忘れた」
「あー……。じゃあ、着信凄い事になってるかもねぇ」
「やーめーてー」
咲希子の言葉に、背筋がゾッとする。
「気を付けなさいよ。早く帰らないとまた来るかもよ」
咲希子の台詞に、ガバッと時計を見た。