【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
17時を10分程過ぎている。
笹木は営業課で、秘書課から離れた位置にオフィスがある。しかし、終業のベルと共に仕事が終われば、そろそろここに着く頃だった。ヤバイかもしれない。
「お先っ!」
カバンを掴み、挨拶もそこそこに私は勢いよく廊下に飛び出した。
「わっ!」
「キャッ!」
なんの確認もせずに飛び出した為に、廊下にいた誰かとぶつかって私はおもいっきり尻餅を付いた。
「……っ、た~……」
うっすら涙を浮かべながら、打ったお尻を擦る。めっちゃ痛い……。
「大丈夫!?」
聞き覚えのある声に、パッと顔を上げる。そこには、尻餅を付いた私に手を差し伸べてくれている津田部長が居た。
「え?なんで……?」
「急に飛び出したりしたら危ないでしょ!ホラッ!」
私は、差し伸べられた手を掴む。と、津田部長は軽々と引っ張り起こしてくれた。
「ありがとうございます。すみません」
私は、起こしてくれたお礼と、ぶつかったお詫びを言った。
「まったく……」
津田部長が呆れ顔で、スカートに付いたホコリをパンパンと叩き落としてくれる。
「ねえ、凄い音したんだけど、大丈夫??」
物音にドアからひょこっと顔を出した咲希子が、私の隣にいる津田部長を見て、あっ……と少し驚いた顔をする。
「……なぁんだ。ちゃんとお迎えがあるんじゃない」
状況を瞬時に察知した咲希子が、今度はニヤニヤし出した。
「え?あ、ちがっ……」
私は慌てて否定しようとしたけど、
「いーからいーから!その方が安全安心だし!津田部長。その子の事、宜しくお願いしますね。何があっても守って下さいよ!江奈、今度ゆっくり話聞かせてもらうから!じゃあ、ごきげんよう」
勘違いした咲希子が、おほほほと笑いながらオフィスへと戻って行った。
笹木は営業課で、秘書課から離れた位置にオフィスがある。しかし、終業のベルと共に仕事が終われば、そろそろここに着く頃だった。ヤバイかもしれない。
「お先っ!」
カバンを掴み、挨拶もそこそこに私は勢いよく廊下に飛び出した。
「わっ!」
「キャッ!」
なんの確認もせずに飛び出した為に、廊下にいた誰かとぶつかって私はおもいっきり尻餅を付いた。
「……っ、た~……」
うっすら涙を浮かべながら、打ったお尻を擦る。めっちゃ痛い……。
「大丈夫!?」
聞き覚えのある声に、パッと顔を上げる。そこには、尻餅を付いた私に手を差し伸べてくれている津田部長が居た。
「え?なんで……?」
「急に飛び出したりしたら危ないでしょ!ホラッ!」
私は、差し伸べられた手を掴む。と、津田部長は軽々と引っ張り起こしてくれた。
「ありがとうございます。すみません」
私は、起こしてくれたお礼と、ぶつかったお詫びを言った。
「まったく……」
津田部長が呆れ顔で、スカートに付いたホコリをパンパンと叩き落としてくれる。
「ねえ、凄い音したんだけど、大丈夫??」
物音にドアからひょこっと顔を出した咲希子が、私の隣にいる津田部長を見て、あっ……と少し驚いた顔をする。
「……なぁんだ。ちゃんとお迎えがあるんじゃない」
状況を瞬時に察知した咲希子が、今度はニヤニヤし出した。
「え?あ、ちがっ……」
私は慌てて否定しようとしたけど、
「いーからいーから!その方が安全安心だし!津田部長。その子の事、宜しくお願いしますね。何があっても守って下さいよ!江奈、今度ゆっくり話聞かせてもらうから!じゃあ、ごきげんよう」
勘違いした咲希子が、おほほほと笑いながらオフィスへと戻って行った。