【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
「わぁっ!美味しそうーっ!」
金目鯛が丸々一匹入っているアクアパッツァ。アサリやトマトなどが一緒に煮込まれており、爽やかだけど濃厚な香りが漂う。
サーモンの香草焼きも、美味しそう。分厚く切られたサーモンの切り身に、香草が混ぜ込まれたパン粉が乗っていて、良い焼き色が付いている。
「取り皿になります。ごゆっくりどうぞ」
店員さんが持って来てくれた取り皿に、雪ちゃんが料理を取り分けてくれた。ありがとうございます、と言ってお皿を受け取る。
「では、いただきます」
「いただきます!」
まずは金目鯛を一口。ふわふわホロホロな身が、舌の上でとろけた。
「お、美味しい……!」
もちろんスープも絶品で、金目鯛・トマト・アサリから良い出汁が出ている。
「こっちも美味しいわよ」
雪ちゃんがサーモンを差し出す。受け取り、サーモンをぱくり。
「ん~♡サーモン肉厚!ハーブも良い香りで相性抜群ですね!」
ふんわりと鼻から抜けるハーブの香りの余韻を味わう。
「ホント、美味しそうに食べるわね。……あぁ、ホラ、口元に付いてるわよ」
「え?ひゃっ!」
スッと雪ちゃんの手が私の方へと伸びて来て、口元に付いたパン粉を取ってくれた。
「あ、あり、がとうござ、います……」
「焦らずお食べなさいな」
フッと笑い、私の口元に付いていたパン粉をパクッと食べた。
「っ……!!」
な、なんて事をっ!私は口をパクパクさせる。顔が熱いから、多分顔は真っ赤になっているだろう。
雪ちゃんは、そんな私なんてお構い無しに、フンフン♪と鼻歌を歌いながらアサリの身を殻から外してパクパク食べている。
「どうしたの?」
「……いえ、なんでもありません……」
本当はなんでもなくない。心臓がバクバクして、手が震える。
(なんなんだよ、も~~っ!)
その後の料理は、余り味がしなかった。
金目鯛が丸々一匹入っているアクアパッツァ。アサリやトマトなどが一緒に煮込まれており、爽やかだけど濃厚な香りが漂う。
サーモンの香草焼きも、美味しそう。分厚く切られたサーモンの切り身に、香草が混ぜ込まれたパン粉が乗っていて、良い焼き色が付いている。
「取り皿になります。ごゆっくりどうぞ」
店員さんが持って来てくれた取り皿に、雪ちゃんが料理を取り分けてくれた。ありがとうございます、と言ってお皿を受け取る。
「では、いただきます」
「いただきます!」
まずは金目鯛を一口。ふわふわホロホロな身が、舌の上でとろけた。
「お、美味しい……!」
もちろんスープも絶品で、金目鯛・トマト・アサリから良い出汁が出ている。
「こっちも美味しいわよ」
雪ちゃんがサーモンを差し出す。受け取り、サーモンをぱくり。
「ん~♡サーモン肉厚!ハーブも良い香りで相性抜群ですね!」
ふんわりと鼻から抜けるハーブの香りの余韻を味わう。
「ホント、美味しそうに食べるわね。……あぁ、ホラ、口元に付いてるわよ」
「え?ひゃっ!」
スッと雪ちゃんの手が私の方へと伸びて来て、口元に付いたパン粉を取ってくれた。
「あ、あり、がとうござ、います……」
「焦らずお食べなさいな」
フッと笑い、私の口元に付いていたパン粉をパクッと食べた。
「っ……!!」
な、なんて事をっ!私は口をパクパクさせる。顔が熱いから、多分顔は真っ赤になっているだろう。
雪ちゃんは、そんな私なんてお構い無しに、フンフン♪と鼻歌を歌いながらアサリの身を殻から外してパクパク食べている。
「どうしたの?」
「……いえ、なんでもありません……」
本当はなんでもなくない。心臓がバクバクして、手が震える。
(なんなんだよ、も~~っ!)
その後の料理は、余り味がしなかった。