【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
不意に思い返して、また顔が熱くなる。

「あんな事出来るんじゃ、潔癖なんかじゃないよね」

パタパタと、火照った顔を手で扇ぐ。

コップを借り、ウォーターサーバーからお水を注いで飲んだ。

「はぁ……」

使ったコップを洗おうと再度キッチンへ向かうと、「あ~サッパリ♪」と頭を拭きながら雪ちゃんがリビングへ戻って来た。

「あ、お水頂きました」

「はいはーい」

タオルで頭をガシガシと拭きながら、ソファーにドカッと座る。雪ちゃんはまた、凄くシンプルなパジャマを着ていた。多分シルクなんだろうけど、黒の普通なデザインのパジャマ。

じゃあ、自分で着ないのにこのネグリジェは一体……?

「アタシにもお水貰える?」

「あ、はい」

違うコップを手に取り、お水を注いで雪ちゃんの元へ運ぶ。

「ありがと」

ゴクゴクと勢いよく飲み干した。

「はぁ~……」

お風呂上がりの雪ちゃん。オールバックじゃない、洗い髪で無造作ヘアーの雪ちゃんは、別人に見えてドキドキする。その為か、いつもより4、5歳若く見えた。

「どうしたの?」

ジッと動かなくなった私を不思議に思ったのか、雪ちゃんが首を傾げた。

「あ…いえ。コップ、片付けますよ」

「あら、ありがと」

「いえ……」

コップを受け取り、流しへ持って行く。洗い終え、ちょこん、と雪ちゃんの隣に座った。
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