【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
駐車場に行くと、車にもたれ掛かってタバコを吸っている雪ちゃんがいた。

「……遅いわよ」

「ごめんなさい」

携帯灰皿にタバコを押し付け、雪ちゃんは車に乗り込む。私もその後に続き、助手席に乗った。ゆっくりと車が走り出す。

「……………」

「……………」

しばらく無言のまま、ゆったり流れるjazzを聴いていた。

「……ごめんなさい」

「え……?」

急に謝られて、雪ちゃんの顔を見る。

「何がですか?」

「腕」

「腕……?」

……ああ、さっき掴まれた二の腕の事かな?

「大丈夫ですよ。あれ位じゃ痣になんてなりませんから」

「本当、ごめんなさい。女性に対する行動じゃなかったわ……」

シュン…として、声色が本当に申し訳なさそう。

「大丈夫です。そんな(やわ)には出来ていません。それより、ゴハンどうします?何処かで食べて行きますか?それとも、近くのスーパーで買い物して、私が何か作りましょうか?」

時刻はまだ18時。買い物をして帰っても、20時位には用意が整いそう。少し考えて、雪ちゃんが言った。

「江奈の手料理が食べたいわ。今朝の朝食も美味しかったし」

「じゃあ、雪ちゃんちの近くに大きなスーパーありましたよね?あそこに行きましょう」

「オーケー」

行った事がないスーパーって、ちょっと楽しみ。
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