【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
一悶着(テーブルの件)があった後に入った雑貨屋。

私よりも雪ちゃんの方が一目惚れをしたこの部屋着。これが良い!!と言う雪ちゃんの意見を「要らない」と一蹴(いっしゅう)し、買わずにそのお店を出たハズなのに、「トイレに行って来る」と言って中々帰って来ない雪ちゃんが何か袋を持って帰って来た。

「なんですか?それ……」

少し…いや、もの凄く嫌な予感がして恐る恐る聞いたら、

「はい。さっきの部屋着。買っちゃった♡」

と、満面の笑みでその袋を手渡された。

(やっぱり……)

私はガクッと項垂れる。

「要らないって言ったじゃないですか……」

「うん。でも絶対に似合うから」

「……………」

この強引な所、どうにかならないの?私は心の中で、盛大に溜め息を吐いた。


――ベッドに広げたその部屋着をハンガーに掛け、クローゼットへしまう。申し訳ないけど、多分着る事はないだろう。

「……よしっ!着替えてハンバーグ!」

私は、一番しっくり行くスウェットに着替え、髪の毛をひとつに括り、キッチンへと戻った。
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