忘れな草の約束



世奈は毎日の繰り返しの中で
もう急に胸が苦しくなったり
泣きたくなったり....

そんなことはないけれど。


何故だか突然暗闇の中に
放り出されたようにあの日から
ずっと長いトンネルの中を
一人、歩いていた。



「さむーい!」


思わずジャンパーの裾を手繰り寄せる。


まさくんは風邪引いてないかな?

まさくん寒いの苦手だからね。


自然と世奈は笑みがこぼれた。



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