初恋を君に
お風呂から出て髪を乾かし、
断捨離に取りかかる。
ゴミ袋を何枚か取り出し、
分別しながら入れていく。
元カレとの写真。
お土産のぬいぐるみ。
贈られたアクセサリー。
一緒に行った映画の半券。
元カレとの思い出とともに
ゴミ袋に入れていく。
何も考えずに事務的にただ黙々と。
気づくと窓の外は暗くなっていた。
断捨離はほぼ終わり、
彼の私物は配送する為に紙袋にいれる。
「さてと。お腹も空いたし、荷物送りながら買い物でも行こうかな〜」
独り言をひとつ。
財布と家の鍵、そして荷物を持って家を出る。スマフォを忘れたが、もう頻繁に連絡してくる相手はいない。
「…まっいっか。」
強がりかもしれない。でも泣いて色々と処分したら少しスッキリした。
でも当分恋愛はごめんだ。
上条ほどではないが、もともと私も恋愛が面倒だ。連絡取り合うことや人に合わせる事、仕事上なら仕事として出来るのだ。ただプライベートになると途端に面倒になってしまう。
元カレはマメな人で毎日メールか電話をしていた。
無理していたのかなぁ。
次は無理しない恋愛がいい。
でもそんな恋愛ってあるの?
考え事をしていたら、コンビニについた。
コンビニで荷物を送り終えると
何だかひとつ区切りがついた気がした。
そうだ、この先のスーパーで美味しいチーズとワインを買ってゆっくり飲みながら撮りためた海外ドラマを観よう。
っていうか、
また飲むんかーい!
と自分で自分にツッコミを入れて
少しだけ足取りを軽くスーパーへ向かった。