夜明けー朝日が登る頃ー
ゆみは、仲良く『してもらいなさい』って何やねん、と突っ込みたかったが、そこは堪えた。
ゆみが黙っていると、お母さんが
「ほら早く、あんたも自己紹介!」
と促された。
ゆみはハっとして、
「ま、松枝ゆみです!あの、えと、よ、よろしくおねがいします。」
と自己紹介をした。
「よろしく!」
そして純希とゆみは握手をした。

お母さんがゆみに聞いてきた。
「ゆみ、その、一応ご近所さんになる訳だからさ、言っても・・・いい?」
勿論ゆみの病気の事だ。
ゆみは隠していたかったわけでも何でもないので、二つ返事でいいよと言った。
そしてお母さんは赤羽家にゆみの病気のことと学校に行けていない事を話した。
話し終わった時、純希が言った。
「え、学校行ってないってことは・・・その、友達・・・とか、いないの?」
純希はゆみ本人に聞いている様だった。
「『ともだち』・・・??なぁに、それ?」
「えっ!まじ?じゃあさ、俺がなっていい!?友達1号!友達の意味は、なってつきあっていくうちにわかると思うからさ。」
ゆみはよく分からなかったが、取り敢えず
「うん。」
と言った。
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