名探偵と女子高生



俯くと結城さんは私の頭を撫でた。



「…何沈んでるんだよ。勘違いすんじゃねぇよ。この早とちり。」



結城さんのその言葉に顔を上げる。


そして目が合い、そらされた。




「…だからおまえに依頼料を請求しようと思う。

人件費、精神的苦痛も含めて1億だ。」



「いっ、1億⁉︎」


そ、そんなお金払えないよ…



「てか、精神的苦痛ってなんですか?」


すると結城さんは頭を抱えた。



「あー…おまえが今井美玲に人質に取られた時、精神的苦痛だったなぁ。

特におまえを助けようと、自分を生贄にしようとした時なんてまさに苦痛でしかなかった。」




「…その使い方、なんか変ですよ。それに、結城さん、美玲さんが私を殺す気なんてないってわかってたじゃないですか。」



私がそう口を尖らせると結城さんはきょとん、とした。




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