名探偵と女子高生
そしてその日の晩、お母さんが帰ってきた。
「おかえり、お母さん。」
「ただいま。ねぇ、瑞樹、お母さん聞いたわよ。あんたが今日男の人の車から出てくるところを見たって。
なに?彼氏できたの?車ってことは年上?」
お母さんはニヤニヤとしている。
「そんなんじゃないよ。」
「じゃあどういう関係なのよ?」
…なんと説明したらいいのだろうか。さきほど結城さんは警察の人に関係聞かれた時、他人と答えた。
でもこの場合は他人じゃ通じないだろう。
「…えっと、友達のお兄さん?」
ははは、とぎこちなく笑うとお母さんは不審そうな顔をする。
「まぁ、それならいいけど…。変な人と絡むんじゃないわよ。」
お母さんはそう言ってリビングを出て行った。