名探偵と女子高生
盛大な拍手が巻き起こる中、二曲目に移る。
つぎは私のソロがある曲だ。
「ワン ツー サン シッ」
先生がそう合図するとみんなの音が重なり合う。
そしてBメロまでいくと、先生が私に合図をする。
そして私は立ち上がる。
順調にソロを吹き出す。
客席を見渡してると、
「ーーっ」
一瞬演奏が止まりそうになる。
来てくれたんだ、結城さん。
それからどう吹き切ったかは覚えていない。
気付いたらアンコールの演奏も終わっていて、控え室に戻っていた。
「お疲れー」
みんながそう言い合ってる間、私はただただボーッとしていた。