名探偵と女子高生
「菊得は…公立ですよね。ということは中学も公立なんですか?」
「そう、日向中学です。」
美玲さんがそう微笑む。
「あ、私も日向中学でしたっ!」
私がそういうと携帯が鳴った。
結城さんから電話だ。
「あ、ちょっとすみません。」
そう言って電話に出る。
《よし、もう店を出ろ。》
電話越しに聞こえる結城さんの声。
「あ、はい。今行きます。」
まるで耳元で言われてるようでドキドキした。
「すみません、もう帰らなきゃいけなくなって…!」
美玲さんにそう断わって、自分の代金を美玲さんに渡して私は喫茶店を出る。
「お疲れ。ありがとな。」
車に入ると結城さんにそう言われる。
その表情はどこか嬉しそうだった。