名探偵と女子高生




「お待たせしました。」




喫茶店の駐車場に停めてある結城さんの車に乗り込んだ。




「どうだった?」



「結城さんの望む形になったかはわかりませんが、やれるだけやって来ました。」




そういって結城さんに先ほど録音したものを渡す。




それを一通り聞いたあと結城さんは私の頭を撫でた。




「ど、どうしたんですか?」




「おまえは、真実が知りたいか?」




「え、あ…はい。」




私がそう聞くと結城さんは外を指差した。




「悪いが、これから単独行動をする。真実は教えてやる。だからひとりで家に帰ってくれ。」




「へ、何で今更…」




今日この日までずっと一緒に行動してたではないか。




「大丈夫だ、特に秘密の調査をするわけではない。念のため単独行動をするだけだから。」





結城さんの目は真剣そのもので、私は降りることを決意した。




「わかりました。でも、何かあったりしたら必ず連絡お願いしますね。ホウレンソウですよ。」




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