アイドル的LOVE
「けんちゃんっ!!」
目の前に幼なじみ本人が現われた。
「どーしたサヤ?」
言いたいことは分かるけどあえてながす俺。
サヤはむぅーっと膨れた。
「『どうした』じゃないっ!!同じクラスってわかってたなら、待っててくれたって良かったのに!!」
「先に行くって言っただろ?」
「そうだけどさぁ…けんちゃん冷たいっ」
眉間にしわを寄せた。
そんなとこも若干かわいいと思ったりする自分がいる。
「ごめん、ごめん。今度アイスでもおごるから」
アイスって言葉に少なからず反応するサヤ。
甘いもの好きだもんな。
「約束だからねっ!!」
そう言い残して、サヤは自分の席へと戻った。
俺の隣には口をポカンとあけたタクト。
その顔を見て俺は吹き出しそうになる。
「今のが幼なじみ?」
「そうだ。神崎紗矢」
「へぇ、かわいいじゃん。スタイルいいしさ」
「そうか?」
俺はとりあえずとぼけてみた。
ここで肯定してもどうしようもない。
ちょっとした考えや思いが生まれたが、俺はポーカーフェイスを保った。