アイドル的LOVE
「ふーん、一年生か」
大武先輩がレモンシャーベットを食べながら言った。
ちなみにあたしはイチゴアイス、ユキナがオレンジ、けんちゃんがメロン、古賀くんがグレープジェラートを食べている。
「そういえば、入学式でみたかも」
私のことをちゃんと見てたんだ…って、適当かもな。
「大武先輩はなんで無防備に変装せずにここにいたんすか??」
古賀くんが思い切った質問をした。
みんなの視線が大武先輩に集まる。
「いやぁ、俺まだ売れ始めって感じだから、大丈夫かなぁ〜と」
「売れ始めって、注目されてるから危険じゃないですか?」
思わず声に出してしまった。
気付いたときにはもう、時すでに遅し。
けんちゃんにポカリと叩かれる。
「痛い…」
「その単刀直入な発言、どうにかしろ」
「別にいいよ。さやちゃん、かわいい顔して怖いな〜」
大武先輩が笑う。
案外優しいな。
一応評判を気にしてるのかも。
じゃなきゃ、一般人に優しくしないよね?
良くない噂あるみたいだし。
今朝、ユキナが言ってたことを思い出す。