アイドル的LOVE
車の中で仕事の概要をもう一度説明してもらう。
今日は女子高生向けの雑誌の取材だ。
それまでにも何回かその雑誌には出させてもらってるので、担当者とはだいぶ親しい。
ふと、何かを思い出したように水無月さんが話しだす。
「さっきの子、さやちゃんだっけ?なかなかかわいかったな」
「珍しいですね。水無月さんがひとほめるの」
「俺は本当のことしか言わないだけだ。確か…神崎って苗字だよな?」
「そうですよ」
「そしてお前と同じ高校で今日入学式…」
水無月さんは何かを考え始めた。
さやちゃんがどうかしたのか??
確かにかわいいし、背も女子にしてはそれなりに高いしな…
久々の掘り出し物かな?
「これはいけるかもな…」
どうやら掘り出し物みたいだ。
俺はニヤっと笑った。
「演技も上手いですし、いいんじゃないですか?」
「そうだな…社長に電話してみるか。これから、さやちゃんの親にも会うしな」
それって、どういう意味だ?
そんな俺の疑問は取材前に解決した。
そして、俺は再び神崎紗矢に会うこととなる。