アイドル的LOVE

それは思ってもみなかった言葉だった。

まさか、水無月さんからその一言が出るなんて。


私は予想外のことに混乱していた。




「君は声もきれいだし、顔も整ってる。それに、雄一の話だと演技力もあるそうだしね」



水無月さんは真剣な眼差しを私に向ける。


…ってか、演技力ってね…あれは大武先輩がいたから、プロがいたから成り立ったわけで…



「私に…出来ますかね…?」


「それははっきりとは言えない。でも少なくとも、君には才能がある。それを生かすか生かさないかは、君次第だ」



私次第…



芸能界。


それは


私がずっと前から


憧れてた世界



そして


その夢が





こんなに近くにある



「…伝えたいんだろ?お前の思いを」


「お前なら…サヤなら、大丈夫だよ」



けんちゃん…私…





「やらせて下さい」



顔を真っすぐ向けて、はっきりと言い切る。



「神崎紗矢、精一杯がんばります!!」





けんちゃん


頑張ってみる


私の夢…








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