アイドル的LOVE
ありがとう、といってアイツは嬉しそうに席に戻った。
俺まで笑顔になってしまう。
本当に―――
「…かわいいヤツ……」
「誰が?」
「おわっっ!!?」
どこからともなく聞こえた声に、無駄に慌てる俺。
「…なんだタクトかよ。驚かすな」
「なんだとは失礼だな〜。神崎にはあんな優し〜い顔するくせに〜」
「はぁっ!?何を…」
「無駄な抵抗は止めたが良いぜ〜。
ケン、お前分かりやすすぎ」
ぐさりとタクトの言葉が突き刺さる。
俺が一番気にしてることを……そんなあっさり言うな!!
「うるせぇーよ」
はぁっとため息を吐くとタクトは再び口を開いた。
「しっかし、ここまで分かりやすいのに気付かない神崎って……」
「……」
「相当天然だな」
俺は何も言い返せなかった。