今度こそ
いつもは7時になると必ず1階からお母さんの綺麗な透き通る声が私を呼ぶのに、今日に限ってなかなか呼ばれない。
5分、10分・・・
(これ以上待ってたら遅刻しちゃうよ〜)
結は待ちきれず、下のキッチンに向かった。
結は階段を降りている途中、何かが違うと感じた。
いつもなら包丁の音や母の鼻歌が聞こえるのに今日は物音1つしない。
それに・・・
(何か血生臭い・・・?)
嫌な予感に結の足取りはキッチンに近づくにつれ、ゆっくり重たくなっていった。
「お母さん・・・?」
キッチンにいるはずの母が立っておらず恐る恐る中に入っていった。