似た者同士
それから数日が経ち、いよいよ3年の卒業式が近づいた時だった。

会長にデートに誘われた。

日曜日…。楽しみにしていたはずのデート…

そこに会長はいなくて…代わりにいたのは…赤城!?

「何であなたが…」と私が言うと、

「体調悪くて…行けそうにないから代わりに行ってきてくれって言われた」とばつ悪そうに言う赤城。

なるほど…。そんな計らいをしてくれたのか。

会長は間違いなく仮病…。私と赤城がデート出来るように、ワザワザ嘘の口実をたててくれたようだ。

優しい会長に感謝した。

けど…、それがバレないように、私は少し落ち込むフリをする。

「俺とは嫌か?」なんて聞いてくる。

嫌なわけないでしょ!!心で叫ぶ。

「もうすぐ卒業だし…キミにちゃんと気持ち伝えようって思って…。俺のこと、ちゃんと見ててくれたの嬉しかった」と赤城は言った。

私は少しうつむきながら、「あの…楽しみましょ?」とボソボソ言ってみた。

私達は歩き出した。けど…赤城は並んで歩いてはくれない。

振り返ろうとしたとき、後ろから思いきり抱き締められた。

「赤城さん!?」と私は声をかけるが、赤城は何も言ってくれない

「俺じゃダメか?キミのこと好きなんだ…」と少し掠れた声で、甘く切なげに耳元で囁かれてしまう。

もう言ってしまっても良いだろうか…。


ほんとのこと…。

「…好きです…」言ってしまった…。というより、出てしまった。

すごく驚いてる、赤城。

「私も、赤城さんが好き…。ほんとは会長とは付き合ってフリをしてたの。赤城さんからちゃんと告白してもらえたら別れようって契約のもと…」と私が言うと、

「やられたな。アイツには敵わない!!一本取られたよ…。負けを認める。俺の女になってくれる?」と赤城は言う。

「もちろんです!!」と私が言って赤城の方を見ると、

顎をくいっとあげられ、キスされたー

「大好きです!!」って。

「なぁ、もしかしてこのデート、はめられた?」と赤城は聞いてくる。

「はい、赤城さんと会長の関係も聞きました…。好きだった人が同じだったことも…」と私が言うと、赤城は照れたように顔を赤くした。



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