似た者同士
私は帰る支度を終え、靴箱に向かった。

すでに赤城はいて、「やっときた!!じゃ、行こうか、道尊地さん」と言った。

この人…二重人格なの?さっきとは別の人だよ…と思いながらも私たちは靴を履き替えた。

「裏から出ようね~」と赤城は言ってアッサリ裏口から出てしまった。

私もつられるようにして裏から出た。

「さーて、道尊地さん、どこ行きたい?」って聞いてくる赤城。

この笑顔はずるい。

「赤城さんは何したいんですか?」と私が聞けば、「コーヒー飲みながらケーキ食いたい」と赤城は言ったので、私たちは喫茶店に向かった。

「カフェなんて可愛いものじゃなくてごめんね!!俺のお気に入りの喫茶店なんだ。昔からよく来てる…」と赤城は言った。

私は笑った。

私はふと思った。「甘党なんですか?」

どうやら口に出ていたようで…

「うん、大好き!!」と赤城は笑った。

その笑顔に思わず、ドキリとする

「赤城さんって…絶対二重人格ですよね…」なんて言うと、

「そんなことないよ~」と笑っていた。

そうこうしてるうちに喫茶店についた。

「マスター、いつもの…」と赤城は言うと、カウンター席に座った。その横に私も座った。

「珍しいね~女の子…」とマスターが言う。

「まぁね…」と赤城は笑った。

私…何頼もうかな?メニューを見ながら険しい顔をしてる私に、横でクスクス笑ってる赤城。

「好きなの頼んで。おごってあげる」って言われた。

ほとんど初対面なのに、何でここまでよくしてくれるんだろう…。

「同士だからだよ~」と赤城。

えっ!?私、また声に出てた?

「声には出てなかったけどわかるよー」と赤城笑った。

ケーキを頬張りながらコーヒーをすすってる赤城もまた素敵だ。

ってどうしよう…。

私、ずっと赤城見てるかも。

私、どうしちゃったんだろう…。こんな気持ち初めてかも…。

なんかすごくドキドキする。
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