似た者同士
不意に、「大丈夫?顔赤くない?」って聞かれた。

私は「そうですか?」と笑ってみる。

「まぁいいや。それより、メニュー決まった?」ってキラキラした笑顔で聞かれたらたまんない。

そして私は、カプチーノを頼んだ。

「ケーキはいらない?ここの美味しいから是非食べてほしいんだけど…」と赤城は笑う。

「じゃあ…おすすめください」と私は言った。

ふと時計を見るー

3時を少し過ぎたくらいだった。

「たまにはこーゆう過ごし方も良いでしょ?フラフラ街歩いたりも良いけど。まぁ、一番は学校で真面目に授業受けてることだけどね!!って俺が言っても説得力ないよね~」と赤城は言った。

ホントにこの人は何なんだろう…。

爽やかってほどでもないけど、真面目な訳ではない。

優しいかと思えば、ちょっとS。

けど、憎めないというか、嫌いじゃない。

私はカプチーノをすすった。

つい漏れる「うまっ」に微笑ましそうに見つめるマスターと赤城。

私は恥ずかしくなってうつむいた。

ケーキを一口食べた。

こちらもかなりの絶品で…私の顔は緩む。

しばらくして、「そろそろ帰ろうか…」と赤城は立ち上がったので、私も立ち上がった。

「送るから…家まで」と赤城は言った。

私たちは特に話すこともなく、ただ並んで歩いた。

家について、また明日と私たちは別れた。

必死に考えるーけど、ドキドキの意味は分からなかった。

翌朝ーいつものように、準備して家を出た。

だらしなく歩くーしばらくして学校についた。

「おはよう~」と美保と保に声をかけられた。

私の悪い癖が出てつい、ガン飛ばしてしました。

「朝からこわーい」なんて美保に言われて、顔は緩んだ。

私はこの日、珍しく、授業を受けていた。と言っても、ただ座っていただけだけど。

昼休みー生徒会長が私を呼び出した。

何!?私またやらかした!?

「放課後、生徒会室に来てくれ…話がある」とこのとだった。

そんな中、美保はいなくて…ポツンと保は取り残されていた。

保のことが気になったものの、五時間めが始まったため、スルーした。

六時間めも何とか気合いで乗りきった私。

生徒会室に向かった。

生徒会室ー

「会長ー」と私が言えば、

「来るの早いな。さすが、俊足…」なんて会長はふざけてる。

「用件は?」と私は苛立ち気味に聞く。

「まあまあ、俺とお前の仲じゃん?」ってこら!

謹慎5回も言い渡したクセに…何が俺とお前の仲だ!

喧嘩売ってんのか? なんて言ったら怒られるよね…。

「文化祭…お前、男装する気ない?男装、女装コンテストするんだよ。で、俺の個人推薦でお前を男装で出したい!!頼む」と言われた。

はぁぁ!?私が男装…?

私の噂知ってて、会長は私を晒し者にするつもりなの?

「考えさせて」と私は言った。

「もうひとつ、生徒会がする劇で、俺の女を演じてほしい!!君にしか頼めない!!」と言い出した。

かなりむちゃくちゃ…。

「つまり…私があなたの相手役でヒロインをするの?」と聞けば、

「そのつもりだ。脚本は俺が考える」と言われた。

それも私は考えると言って生徒会室を後にした。

屋上について、ドアを開けたー

そこにはナゼか、保がいた。


何でいるんだろう?保、部活なんじゃ…。

うん?震えてる…?もしかして泣いてるのか?

私は優しく近づき、保を呼んだ。

ー保?ー

保は私に抱きついてきた。

しばらくこのままでいさせてーって。

私はそんな保を優しく抱き締めた。
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