似た者同士
翌朝ー家を出ると、ホントに会長は迎えに来てくれていた。
「おはようー」って。
「おはようございます。昨夜先輩」と照れながら言うと、頭をポンポンされた。
「早く行こ」って。どうやら会長も照れてるようだ。
私たちは軽く走りながら学校に向かった。
文化祭から一夜明け、騒がしくなる学校。
どうやら昨日の寸止めじゃないキスは反響が大きかったようだ。
赤城は…どうやら休みらしい。
靴箱のところで「おはよー」と美保と保に声をかけられた。
保はいつもと変わらないことにホッとした。
「昨日は凄く良かったね!劇も…男装も。あっ、ねぇ、会長と付き合ってるの?」とまたしてもでかい声で言ってくる美保。
だから…何度も同じことせず空気読めよ!!このド天然!!と心の中で思いきり突っ込みを入れてみた。
ほら、また痛い視線突き刺さってるし…。
私が頷くと、「良かったね!絶対あんなヤバイ不良より、会長の方がいいに決まってんだから!!」と美保は言った。
うっ、そんな言い方しないでほしい。
赤城のこと何も知らないくせに…。
「おい、美保。言い過ぎだぞ!!本人の自由だろ」と保がフォローしてくれたので今回だけは許してやる。
私たち3人は教室に向かった。
授業は相変わらず、出ない私。保健室か屋上でたむろっている。
ーお昼休みー
「けーい、飯食おうぜ」と入ってきた会長に驚きながらも頷いた。
「天気も良いし、中庭のベンチで食おう?」と言われて、私と会長は教室を出て中庭に向かった。
中庭について、ベンチに腰をおろした私たち。
「隆也さ、風邪引いたらしくて…今日休みなんだよー俺寂しくて…」と会長が笑う。
「そうなんですか…大丈夫ですかね?」と私が言うと、「さすがに熱あんのに暴れはしないだろ…。帰り様子見に行くけど…一緒に来ないか?」と会長は言ってくれる。
会長の気遣いは凄く嬉しいけど…会長と二人で行く勇気はない。
「大丈夫です!!早く元気になるの待ってます。なので会長一人で行ってきて下さい!」と私は言った。
「わかった。そろそろ食べようか…」と会長は言って私たちはお弁当を食べ始めた。
「赤城さん、キャラ弁自分で作るらしいですよ!すごいですよね~」と私が言うと、
「ホントな…そろそろ、アイツの話はやめよう。部活はやってた?」と会長に言われた。
「名だけ部員で参加してませんけど…」と私が言うと、「そっか。これからは参加してよ。慶と一緒に帰りたいし…ねっ?」と会長に言われ、「考えときます」と私は言った。
ほんとは参加する来なんて更々ない。
美保と同じ陸部。美保は短距離だけど、私は長距離を走ってた。
中学の時怪我してから、高校入ってはほとんど走ってないんだよね!
体育では走れるし、普段から体鍛えるのに走ったり、トレーニングはしてる。だから問題は無いとは思う。
チャイムがなり、私たちは教室に戻った。
五時間目、六時間目はただボーッとイスに座っていた。
放課後になり、保と美保は部活に行くと教室を出て行った。
取り残された私。妙にむなしくなる。
いつもなら…赤城が帰ろうかって待っててくれたなーなんて考えてた。
鞄を持って教室を出たとき、誰かにぶつかった。
キャッなんて可愛い声は出ない…。けど、ぶつかったのはどうやら女らしい。
んっだよと睨み付ける。
「何すか?ぶつかっといて、謝りもしないっすか?いい度胸してますね!」と思いきり嫌みっぽく言ってやった。
そしたら女は逃げて行った。
けど、このことこそが悪夢の始まりだった。
フラフラと廊下を歩き始めた私。
突き刺さる痛い視線に胸が痛む。
が辺りは静寂ー
生徒会室の前でふと、私は足を止めた。
何故だかは分からない…。けど、何となく、会長に会いたかった。
ドアをノックした。
「はーい」と声が聞こえた。
「私です。道尊地…」と私が言うと、「入って」と返ってきたので中に入った。
「もしかして…会いに来てくれたの?」と会長に笑顔を向けられ、頷いたらおいでと手招きされた。
会長のもとまで行くと、頭を撫でられた。
「どした?なんかあったのか?」と会長に言われた。
私、そんな分かりやすい顔してただろうか?
「ここに来る前、女子とぶつかりました」と私が言うと、「で、何を感じた?」と会長、「わかりません。けど…なんか怖かったです」と私が言えば、
「そうか。これからキミはいじめられたり苦しむことも多くなるかもしれない…。出来る限り、守れるように努力はするから…」と会長は言った。
私は頷くしか出来なかった。
「何ヒビってんすか?ウチの頭やないですか!もっと自信もったらどーなんすか?」と副会長に激を飛ばされてしまった。
だよね!私は赤城と並んで、ツートップを張る不良…。
恐れることはないか…。喧嘩上等だよな!!
「ありがとうございます」と私は副会長に頭を下げた。
「会長の女なんやったら、もっと堂々とすべきやと思っただけです。なんかでしゃばってスンマセン」と言ってくる副会長に思わず笑ってしまった。
なんか安心した。私、頑張れそう…。
会長は仕事を終えたみたいで、「帰ろうか」と言ってくれた。
はいと私は大きく頷いて、二人で生徒会室を後にした。
「俺はずっと生徒会室で、今日みたいに待ってくれるのも嬉しいけど…部活に参加したくない理由があるなら教えてほしいな」と会長は言った。
やっぱり会長は真面目だ。
「トラウマです。中学の時怪我して…それからその…復帰出来ないまま引退したんですよね…」と私は言った。
「そっか。なら、仕方ないな。で、なに部?」と言われて、
「陸部で、長距離やってました」と私は言った。
そうかと一言言っただけで会長は何も言わなかった。
私たちはとくに何も話さずにそのまま帰った。
「おはようー」って。
「おはようございます。昨夜先輩」と照れながら言うと、頭をポンポンされた。
「早く行こ」って。どうやら会長も照れてるようだ。
私たちは軽く走りながら学校に向かった。
文化祭から一夜明け、騒がしくなる学校。
どうやら昨日の寸止めじゃないキスは反響が大きかったようだ。
赤城は…どうやら休みらしい。
靴箱のところで「おはよー」と美保と保に声をかけられた。
保はいつもと変わらないことにホッとした。
「昨日は凄く良かったね!劇も…男装も。あっ、ねぇ、会長と付き合ってるの?」とまたしてもでかい声で言ってくる美保。
だから…何度も同じことせず空気読めよ!!このド天然!!と心の中で思いきり突っ込みを入れてみた。
ほら、また痛い視線突き刺さってるし…。
私が頷くと、「良かったね!絶対あんなヤバイ不良より、会長の方がいいに決まってんだから!!」と美保は言った。
うっ、そんな言い方しないでほしい。
赤城のこと何も知らないくせに…。
「おい、美保。言い過ぎだぞ!!本人の自由だろ」と保がフォローしてくれたので今回だけは許してやる。
私たち3人は教室に向かった。
授業は相変わらず、出ない私。保健室か屋上でたむろっている。
ーお昼休みー
「けーい、飯食おうぜ」と入ってきた会長に驚きながらも頷いた。
「天気も良いし、中庭のベンチで食おう?」と言われて、私と会長は教室を出て中庭に向かった。
中庭について、ベンチに腰をおろした私たち。
「隆也さ、風邪引いたらしくて…今日休みなんだよー俺寂しくて…」と会長が笑う。
「そうなんですか…大丈夫ですかね?」と私が言うと、「さすがに熱あんのに暴れはしないだろ…。帰り様子見に行くけど…一緒に来ないか?」と会長は言ってくれる。
会長の気遣いは凄く嬉しいけど…会長と二人で行く勇気はない。
「大丈夫です!!早く元気になるの待ってます。なので会長一人で行ってきて下さい!」と私は言った。
「わかった。そろそろ食べようか…」と会長は言って私たちはお弁当を食べ始めた。
「赤城さん、キャラ弁自分で作るらしいですよ!すごいですよね~」と私が言うと、
「ホントな…そろそろ、アイツの話はやめよう。部活はやってた?」と会長に言われた。
「名だけ部員で参加してませんけど…」と私が言うと、「そっか。これからは参加してよ。慶と一緒に帰りたいし…ねっ?」と会長に言われ、「考えときます」と私は言った。
ほんとは参加する来なんて更々ない。
美保と同じ陸部。美保は短距離だけど、私は長距離を走ってた。
中学の時怪我してから、高校入ってはほとんど走ってないんだよね!
体育では走れるし、普段から体鍛えるのに走ったり、トレーニングはしてる。だから問題は無いとは思う。
チャイムがなり、私たちは教室に戻った。
五時間目、六時間目はただボーッとイスに座っていた。
放課後になり、保と美保は部活に行くと教室を出て行った。
取り残された私。妙にむなしくなる。
いつもなら…赤城が帰ろうかって待っててくれたなーなんて考えてた。
鞄を持って教室を出たとき、誰かにぶつかった。
キャッなんて可愛い声は出ない…。けど、ぶつかったのはどうやら女らしい。
んっだよと睨み付ける。
「何すか?ぶつかっといて、謝りもしないっすか?いい度胸してますね!」と思いきり嫌みっぽく言ってやった。
そしたら女は逃げて行った。
けど、このことこそが悪夢の始まりだった。
フラフラと廊下を歩き始めた私。
突き刺さる痛い視線に胸が痛む。
が辺りは静寂ー
生徒会室の前でふと、私は足を止めた。
何故だかは分からない…。けど、何となく、会長に会いたかった。
ドアをノックした。
「はーい」と声が聞こえた。
「私です。道尊地…」と私が言うと、「入って」と返ってきたので中に入った。
「もしかして…会いに来てくれたの?」と会長に笑顔を向けられ、頷いたらおいでと手招きされた。
会長のもとまで行くと、頭を撫でられた。
「どした?なんかあったのか?」と会長に言われた。
私、そんな分かりやすい顔してただろうか?
「ここに来る前、女子とぶつかりました」と私が言うと、「で、何を感じた?」と会長、「わかりません。けど…なんか怖かったです」と私が言えば、
「そうか。これからキミはいじめられたり苦しむことも多くなるかもしれない…。出来る限り、守れるように努力はするから…」と会長は言った。
私は頷くしか出来なかった。
「何ヒビってんすか?ウチの頭やないですか!もっと自信もったらどーなんすか?」と副会長に激を飛ばされてしまった。
だよね!私は赤城と並んで、ツートップを張る不良…。
恐れることはないか…。喧嘩上等だよな!!
「ありがとうございます」と私は副会長に頭を下げた。
「会長の女なんやったら、もっと堂々とすべきやと思っただけです。なんかでしゃばってスンマセン」と言ってくる副会長に思わず笑ってしまった。
なんか安心した。私、頑張れそう…。
会長は仕事を終えたみたいで、「帰ろうか」と言ってくれた。
はいと私は大きく頷いて、二人で生徒会室を後にした。
「俺はずっと生徒会室で、今日みたいに待ってくれるのも嬉しいけど…部活に参加したくない理由があるなら教えてほしいな」と会長は言った。
やっぱり会長は真面目だ。
「トラウマです。中学の時怪我して…それからその…復帰出来ないまま引退したんですよね…」と私は言った。
「そっか。なら、仕方ないな。で、なに部?」と言われて、
「陸部で、長距離やってました」と私は言った。
そうかと一言言っただけで会長は何も言わなかった。
私たちはとくに何も話さずにそのまま帰った。