3年間の好きをあなたへ…
それが最後に告げる私の思い。
大好きだった先生へのお礼の言葉…
「今までありがとうございました。先生に会えて本当に良かったです」
「……」
最後にとびっきりの笑みを向けた。
もうタイムミリットは過ぎてしまった。
どんなに頑張っても変えられない未来に、私は目の前の先生に今までのお礼を込めて深々と頭を下げる。
「さようなら、お元気で…」
泣いたりなんかしない。
もう泣く必要なんてない。
此処を出れば私と先生は赤の他人。私はこれから新たな一歩を踏み出すのだから…
「待って!」
なのに、ドアを開ける瞬間なぜかグイッと手首を捕まれた。
それは熱く、初めて触れた先生の手のぬくもりは力強く、私は不覚にもハッと目を開く。
「行くな」
そう言って力強く連れ戻された瞬間、私は先生の胸に倒れ込むような形で体制が勝手に崩れてく。