3年間の好きをあなたへ…
「…遅いよ……」
それを受け入れた瞬間再び私の中で酷い悲しみが襲ってきた。
そのまま肩を落とした私はそっと先生の胸を押し返す。
「私、結婚するの」
「えっ?」
「高校卒業したら親が決めた人と結婚することになってるの」
それは前から決まっていたことだ。
親が経営する会社のため、私は親同士が決めた好きでもない人と結婚する。つまり政略結婚だ。
それが私の使命だから、どんなにわめいてもあがいてもどうしようもできない私の悲しい定めなんだ。
「だからごめんなさい。先生の気持ちには応えられない」
「…嘘、だろ……」
だよね、先生の気持ちは痛いほど分かる。
私だってこんなこと認めたくない。嘘であってほしい。
そのことで何度も両親と衝突して、何度家を出ようと思ったかしれない。
そのたびに大好きな先生のことを思い出して…