3年間の好きをあなたへ…

18才になって私は産まれて初めてパーマというものをかけた。

先生が好きだと言っていたから。

ロングの黒髪に緩いパーマ。お世辞じゃないけど自分でもけっこう似合ってると思った。

そして先生も可愛いとまでは言ってくれなかったけれど、「いいんじゃない?」と優しく褒めてくれた。

単純な私はそれがものすごく嬉しくて、暫くはこのまま髪を切るのはやめようと思った。

きっとこの髪を切るときは先生とお別れの時。

悲しいけどさよならをする時だ。


ズキン…と心が痛む。

高校三年生の秋、この時、私にはもうすでにタイムミリットのカウントダウンが始まっていた。

逆らえない現実を前にふつふつと悲しさが込み上げてくる。

だから私は必死に目を閉じた。

今はまだ先生のことだけを考えていたい。

もう少し、あと少し。

できるならこのまま時間が止まってほしい。


だから最近の私はちょっぴり臆病。



「好きです…」



と、自分の心の中でだけで言うようになっていた。

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