3年間の好きをあなたへ…

高校三年生の冬、私は受験に見事合格した。

これも先生のおかげ。先生がいてくれたこそ頑張れた結果だと思う。

それを嬉しさのあまり先生に伝えると「北條が一生懸命頑張ったからだろ」と先生らしい誇らしい言葉をくれた。

先生は相変わらず優しい。

だけどそれは教師としての顔で、私を一人の女の子扱いしてるわけではない。
みんな平等。他の生徒にも同じように優しい笑みを向けている先生は決して私のものにはならない。

私の思いは届かない。

だから私はもう必要以上に彼にまとわりつかないようにしていた。

卒業まであと少し、もう私には時間がない。

先生にまとわりつく資格が今の私には消えかかっているのが分かるから。


好き、が私の中で膨らんでいく。

だけどそれがひどい痛みに変わっていた。

ただ



「好きです…」



それが素直に言えなくなってどれぐらいの日数が過ぎただろう。

逆に心配そうに見つめる先生の視線。それに気づけないほどこの頃の私は元気と無邪気さをなくしていた。

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