彼女のことは俺が守る【完全版】
そして、それは突然訪れた。
二人で顔を見合わせてから、ドアを開けた瞬間だったと思う。パシャパシャっと目の前が真っ白になった。一瞬何が起こったのか分からなくて、自分の置かれている状態に気付いたのは、目の前が真っ暗になってからだった。私の前には海斗さんの背中があり、一気に脱ぎ去ったシャツが私の頭の上から掛けられる。
「車まで走れるか?」
そんな海斗さんの切羽詰まったような声に頷くと、私は海斗さんに手を引かれて走り出したのだった。後ろをチラッと見るとカメラを抱えたまま走って追いかけてくる。それも二人も…怖いと思った。今の私が信じられるのは海斗さんの手しかなかった。車の中に乗り込むと頭から海斗さんのシャツを被って私はじっとしているしかなかった。
目を閉じても必死に追いかけてくるカメラを抱えた男の人の顔が鮮明に思い出す。これが芸能人がマスコミに追われるということなのだろう。
「里桜。ごめんな。怖かったよな」
「大丈夫です」
そうは言ったものの、初めての経験で私は身体の震えが止まらなかった。マンションの部屋まで帰ると海斗さんは私をソファに座らせてから、携帯を耳に当てたのだった。携帯を耳に当てながらも私のことを気遣い、離れず傍にいる。
「高取に電話する」
海斗さんは私にそういうとすぐに携帯を掛けた。写真を撮られたということは大変なことになるのだろう。海斗さんは難しい顔をしながら、高取さんに連絡をすると、すぐに電話が繋がったようだった。
二人で顔を見合わせてから、ドアを開けた瞬間だったと思う。パシャパシャっと目の前が真っ白になった。一瞬何が起こったのか分からなくて、自分の置かれている状態に気付いたのは、目の前が真っ暗になってからだった。私の前には海斗さんの背中があり、一気に脱ぎ去ったシャツが私の頭の上から掛けられる。
「車まで走れるか?」
そんな海斗さんの切羽詰まったような声に頷くと、私は海斗さんに手を引かれて走り出したのだった。後ろをチラッと見るとカメラを抱えたまま走って追いかけてくる。それも二人も…怖いと思った。今の私が信じられるのは海斗さんの手しかなかった。車の中に乗り込むと頭から海斗さんのシャツを被って私はじっとしているしかなかった。
目を閉じても必死に追いかけてくるカメラを抱えた男の人の顔が鮮明に思い出す。これが芸能人がマスコミに追われるということなのだろう。
「里桜。ごめんな。怖かったよな」
「大丈夫です」
そうは言ったものの、初めての経験で私は身体の震えが止まらなかった。マンションの部屋まで帰ると海斗さんは私をソファに座らせてから、携帯を耳に当てたのだった。携帯を耳に当てながらも私のことを気遣い、離れず傍にいる。
「高取に電話する」
海斗さんは私にそういうとすぐに携帯を掛けた。写真を撮られたということは大変なことになるのだろう。海斗さんは難しい顔をしながら、高取さんに連絡をすると、すぐに電話が繋がったようだった。