彼女のことは俺が守る【完全版】
そのうち、本当に好きな人と結婚するだろう。彼のテリトリーに私の痕跡を残したくないと思った。そうでないと、もしも私に好きな人が出来たら偽装結婚を解消しにくくなる。今は全く分からないけど先はもっと分からない。
でも、篠崎海は甘くなかった。
「里桜が住んでいた部屋は解約して、家具も全部処分する。里桜の持ち物から家具も全て俺が全て揃える。もしも、ここから出て行く時はそれを持って行けばいい。ここにいる間に不自由な思いをさせるつもりはない」
彼は私の気持ちがわかるのだろうか。
マンションも家具も全部捨ててやり直したいと思っているのも、悔しいくらいに見透かされている気がした。でも、それもこれも私への思いやりというのは分かる。全て捨ててやり直したいと思ったのは私で、それを篠崎海は叶えようとしてくれるだけ。
「でも、そこまでして貰うのは申し訳ないです」
「偽装結婚の報酬とでも思ってくれたらいい。とりあえず、部屋を案内する」
玄関を入ると横には大きなシューズクローゼットがあり、広めの空間の向こうに廊下が繋がっており、その先にはいくつかのドアが連なっている。篠崎海はその一つ一つを開けながら説明してくれた。
玄関を入ってすぐに広いリビングダイニングがあり、キッチンも併設されている。バスルームにレストルームも完備されていて、まるでホテルのようだった。
でも、篠崎海は甘くなかった。
「里桜が住んでいた部屋は解約して、家具も全部処分する。里桜の持ち物から家具も全て俺が全て揃える。もしも、ここから出て行く時はそれを持って行けばいい。ここにいる間に不自由な思いをさせるつもりはない」
彼は私の気持ちがわかるのだろうか。
マンションも家具も全部捨ててやり直したいと思っているのも、悔しいくらいに見透かされている気がした。でも、それもこれも私への思いやりというのは分かる。全て捨ててやり直したいと思ったのは私で、それを篠崎海は叶えようとしてくれるだけ。
「でも、そこまでして貰うのは申し訳ないです」
「偽装結婚の報酬とでも思ってくれたらいい。とりあえず、部屋を案内する」
玄関を入ると横には大きなシューズクローゼットがあり、広めの空間の向こうに廊下が繋がっており、その先にはいくつかのドアが連なっている。篠崎海はその一つ一つを開けながら説明してくれた。
玄関を入ってすぐに広いリビングダイニングがあり、キッチンも併設されている。バスルームにレストルームも完備されていて、まるでホテルのようだった。