Rainy's Love.
Falsehood
「──⋯あ、留梨奈!!」
「遥香...昨日は大丈夫だった?」
お昼時 キャンパス内を歩いていると
私は遥香に呼び止められた
昨夜の事が頭を過る
「それがさぁ、留梨奈が出ていった後すぐ“急用が入った”って言って帰っちゃったのーっ」
「そ、うなんだ...」
「ちゃんと埋め合わせしてくれるって言ってたし、全然怒ってないんだけどね?」
そう言って笑う遥香
私は ホッと胸を下ろした
──⋯遥香には絶対に
私達の過去を知られる訳にはいかない。
「ちょっと...留梨奈、大丈夫?険しい顔して、」
「ん...あぁ、ごめん何でもないの」
「お酒抜けてないなら無理しちゃ駄目だからね〜っ」
“ばいばい”と
手を振りながら離れていく遥香
私も手を振り返しながら
小さく呟いた
「もう...忘れなきゃいけないよね」