Rainy's Love.
「ーーーー、ーーー⋯」
目の前にノートを広げながら
私は 頬杖をつく
勿論 ペンは全く進んでいない
講義もまるで頭に入ってこない
ただ
外から聴こえる雨の音に耳を傾けていた
「雨...はやく、止んでよ」
小さく呟いてみる
天気に文句を言うなんて 自分でも可笑しくて
少し笑ってしまった
「ーーーこれで終わります」
講義が終わり
遥香との待ち合わせ場所へと向かう事に。
空を見上げると
やっと 雨が止んでいた
「留梨奈!こっちこっち!早く!」
「久しぶり〜とかないの?もう〜。」
「ごめんごめん」
相変わらずな遥香
私はつい クスクスと笑みがこぼれた
「それでー?何かあったんでしょ?聞かせてよ」
イスに腰を掛けると
早速 気になる事をぶつけてみる
すると“待ってました!”と言わんばかりに
遥香が身を乗り出してきた
「実は、彼氏が出来たの!」
「んーと⋯前に話してた彼?」
「うん、ダメモトで告白したらOKしてくれたのーっ」
“前に話してた彼”というのは
1ヶ月程前 いつもの談笑中に出てきた
『いつもBARにいるんだけどイケメンでさぁ!』と
遥香が興奮しながら語っていた男のこと。
それがまさか彼氏だなんて...
この子の行動力にはつくづく驚かされる
「良かったじゃん。今度紹介してよ?」
「当たり前!というか今日BARで待ち合わせしてるから...留梨奈も一緒に来てくれたらなあって。」
幸せそうに笑う遥香
私は つられて笑顔になった
「本当?行く行く。楽しみ」
「良かったあ!じゃあ0時にいつもの所ね?」
「うん。また連絡する」
二人でランチを食べ終わると
一旦 別れて家へと戻ってきた