Rainy's Love.
「ルリ。珍しく冷静じゃないなあ」
そんな私を見て
カウンター越しにアズが呟く
そして私の顎を“クイッ”と上げた
「...俺が、久々に相手してあげよっか」
いつものチャラさは何処へやら
視線は熱く 真剣な顔で私を見つめている
「...そうね、偶には良いかも。」
「フフッ...素直じゃないなあ、本当」
可笑しそうに微笑むアズ
でも私には 微笑み返す余裕がなかった
「...同じヤツ」
「どうぞ。お嬢さん?」
差し出されたグラスを
また一気に流し込んでいく
アルコールが私の脳内を痺れさせて
全てを忘れさせてくれる気がした
「お待たせ、留梨奈!」
「ん...おかえり」
「ちょっと一気に2杯も呑んだの!?いくらお酒が強い留梨奈でも呑みすぎない様にしなきゃダメだよ〜」
心配する遥香に“大丈夫”と言い返そうと
カウンターから振り向き 視線を移す
視界に入った遥香
そして、
「.....ッ!?」
──私は言葉を失った。
「紹介するね?彼氏の藍沢紫都«アイザワ シズ»」