そんな結婚、あるワケないじゃん!
目を閉じたままの菅野はクタッとしてる。


「美結…?」


落ち着きを取り戻しながら声をかける。

腕の中の菅野は返事もせずにスゥスゥと眠り始めてる。



「はぁぁぁ〜〜」


大きくため息。


ペソが居てくれて良かった……。

危うく欲望に負けるトコだった。



「サンキューな、ペソ」


ヨシヨシ…と頭を撫でると、キュゥゥゥゥン…と甘えて鳴く。
その顔を見定めて、菅野の体を持ち上げた。



「ヨイショ…と!」


これで何度目だ…と思いながらベッドに運んで横たえる。
あどけない寝顔をしたヤツは、寝息を立てて眠り込む。


「もう少し大人になれよ……」


そう言いながらも自分もだな…と呆れる。


苦い味の生姜焼きを食べながら、ペソに愚痴を聞かせる夜になったーーー。



< 110 / 151 >

この作品をシェア

pagetop