香りに誘われて
店を出るとすぐにスマホを取りだした。

深呼吸をして電話をかける

1・・・2・・・・3

「もしもし・・・奏楽?」

「うん・・智樹・・あのね・・」

「ちょっと俺ヤバいんだ」

「え?!何が?」

「奏楽欠乏症で・・それに大事な話もあるんだ」

「え?!大事な話?」

「うんだから喧嘩はもうやめ。今から迎えに行くよ。
今日は例の飲み会だったんだろ?その辺で待ってて10分で行く」

「ねえ智樹?」

「ん?なに?」

「今日・・・あれつけてる?」

「あれって・・・香水?」

「そう。」

「つけてるよ。奏楽の好きな香りだよ。だから待ってて」

言いたいことだけ言って電話は切れた。


あ~~ごめんって言えなかった。

迎えに来てくれたら絶対に言おう。

でもあの香水を身にまとった智樹に抱きしめられたら

謝るの忘れちゃいそう。

いつの間にか智樹のつける香水が私の好きな香りになっていた。


それと大事な話ってなんだろう・・・

もしかしてプロポーズだったりして?

ってさすがにそれはないか・・・・でも

友樹って何かイベントごとがあると必ず

私の好きな香水をつける。

もしかして・・・もしかして?


私は彼と彼の纏う香りを想像して心臓が跳ねた。
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