香りに誘われて
今日の飲み会で一番盛り上がった話題は男性の香水についてだった。

言いだしたのは圭子。

「実はね・・昨日スーパーで買い物していた時に男の人とすれ違ったのよ。
そしたらさ~ふわ~~~って香水の香りが鼻をくすぐったのよ。
で、その香りがさ~~昔好きだった人の香りと一緒でなんかこう、胸がきゅ~~んって
したのよ。匂いってさー過去を恋を思い出させるっていうか・・・
ない?みんなそういうのない?」

鼻息荒く語る圭子にあやは

「香水とかチャラくない?・・私ダメ。それに陽君はそういうのつけないし」

相変わらず、会話に自慢の旦那を必ず登場させる・・・

そして芹奈は

「あ~~香水ね~~。あんまりいい思い出ないのよね~~」

ということは何かあったということでみんなが飛びついた。

「ちょっとそれってなによ~~そこまで言ったら最後まで話す」

結婚生活が4人の中で一番長い圭子が一番聞きたがっているようだ。

芹奈はやれやれと言った顔で話し始めた。

「・・・・ホスト」

その3文字に3人が同じ反応をした。

『ホスト?』

予想通りの反応に芹奈は大きくため息をつく

「ほらね・・そうくると思ったよ。」

半ば不貞腐れた顔で話を続けた。

「ホストっていっても行ったのは2~3回。
 興味本位で行っただけなんだけど、ヤバかったわ~
圭子じゃないけどふわっとくる匂いでクラクラってくるんだよね。
本気になってたら破産してたわ。
だからさ私の中では香水=ホストってイメージしか思い浮かばないのよね。
だから、きつい香水付けてる男の人とかとすれ違うけど・・・・ダメだね。
あの時の自分を思い出して・・・・」

リアルすぎる内容に何となく場の雰囲気が変わった。

するとあやが急に私にふった。
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