香りに誘われて
視線を左に向けるとなんとこの男は私の左肩にもたれ、眠ってしまっていたのだ。
ちょっと・・ちょっと困るよ。
慌てて自分の体を不自然に動かしてみたが反応なし。
しかも彼からはほんの微かな香水の香りがした。
あんなに香水は嫌だって思っていたのに
彼の香水は不思議なほど彼のイメージに合った香りに思えた。
・・・何かすごく・・・すごくいい香
だがそんな思いはすぐに消えた。
何考えてんの?名前も知らなければ何やってる人かも知らないのに
彼の持つ香りだけでドキドキするとかあり得ない
それにあと3つ目の駅で降りるんだけどなーー
この重い頭から解放されたくて再び、肩をもぞもぞと動かしてみるが
全く動く気配なし。
どうしよう、どうしようと言う間に自分の降りる駅を告げる
アナウンスが入った。
「あの・・あの・・すみません」
小声で、もたれかかる男に声をかけるがピクリともしない。
電車は私が焦っているうちに駅に着いた。
でも香水男は全く起きる気配がない。
しかも終電で人もあまり乗っておらず、救いの手を差し伸べる人などいない。
っていうか私が困っていることすら誰も気づいていない
だが電車は待っちゃいない。
焦っているうちに無情にもドアのしまる音がした。
ちょっと・・ちょっと困るよ。
慌てて自分の体を不自然に動かしてみたが反応なし。
しかも彼からはほんの微かな香水の香りがした。
あんなに香水は嫌だって思っていたのに
彼の香水は不思議なほど彼のイメージに合った香りに思えた。
・・・何かすごく・・・すごくいい香
だがそんな思いはすぐに消えた。
何考えてんの?名前も知らなければ何やってる人かも知らないのに
彼の持つ香りだけでドキドキするとかあり得ない
それにあと3つ目の駅で降りるんだけどなーー
この重い頭から解放されたくて再び、肩をもぞもぞと動かしてみるが
全く動く気配なし。
どうしよう、どうしようと言う間に自分の降りる駅を告げる
アナウンスが入った。
「あの・・あの・・すみません」
小声で、もたれかかる男に声をかけるがピクリともしない。
電車は私が焦っているうちに駅に着いた。
でも香水男は全く起きる気配がない。
しかも終電で人もあまり乗っておらず、救いの手を差し伸べる人などいない。
っていうか私が困っていることすら誰も気づいていない
だが電車は待っちゃいない。
焦っているうちに無情にもドアのしまる音がした。