strange
「沙良はよく忘れるからな、その代わり俺が覚えててやるから」

慧が少し寂しそうに笑って、それから大きな声で、

「腹減った!もう待てない。先に食う。沙良の分も食う」

そう言って階段を駆け下りた。


「待って、待ってよ。私だってお腹減ったんだから」

慌てて階段を駆け下りながら、ちょっとだけ深呼吸して涙を引っ込めた。


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