あめこい。



後ろの方から聞こえたため息。



そのため息の主の方へ視線をむける。




「…あ」

そこにいたのは



あのときの青りんごの男の子




「貸して」

ぶっきらぼうにそう言って手を差し出す。



なにを考えるでもなく、

反動的に右手に持ってたあめ玉を彼の手のひらに乗せた、




…途端。



「…ねぇ、あんたバカなの」




そんなトゲトゲしい言葉が聞こえた。



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