Fiore Zattera

バイクに乗っていた奴等が煽るように壱花の周りをぐるぐると回る。

気にせず歩く姿は、優雅極まりない。

「あいつに怖いもんはないのかねえ」

誰かが呟いた。






陣野が原チャリを飛ばして向かった先で元気なのは壱花だけだった。

「おいおい、お前なあ……」

伸びている他の人間を見て、陣野は頭を抱える。

「怪我は?」

「頭痛い」

「は? 後ろからやられたのか?」

「ううん、片頭痛」

陣野の原チャリの後ろに乗って、学校に帰った。

「彼女は?」

「送ってきた」

「ごめん、邪魔して」

「そう思うなら、学校帰ってはやく手洗え」



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