Fiore Zattera
同じ学年でも優等生寄りの人間は幸を除いて殆ど覚えていない。そんなあたしが二個も下の学年を覚えているわけがない。
それで、初っ端からあたしを不良扱いしてきたわけか。冗談じゃなく、本気で。
「え、何であたしのこと知ってんの?」
「だから有名だったんすよ」
「族長って、陣野のこと?」
「付き合ってたって」
「ないない。あの人はあたしを爆弾扱いしてただけ」
急に懐かしくなって笑ってしまった。
「爆弾?」
いつの間にか家の近くのコンビニまで来ていた。この辺もあたしが高校へ行っていた時よりずっと建物が増えた。