Fiore Zattera
ディナーがある度にそんなことされていたら堪ったもんじゃない。キッチンで水を飲み干して息を吐く。
テレビの音が消されて、人の気配が無くなる。
脱衣所兼洗面所で部屋着に着替えて歯を磨く。洗濯かごに入っていた服類を洗濯機に入れて、回した。
寝室に行くと、昼は畳まれていた布団が広げられている。幸が目覚ましをかけていた。
「……明日起きられる?」
こっちが申し訳なくなる。あたしが悪いわけじゃないのに謝るのは筋が通らない気がするので言いたくない。
「大丈夫」
電気を消した。