Fiore Zattera
痛い、と言いながら起き上がったのを見て布団を被って防御に出た。ティッシュケースは返って来なかったので、顔を出す。
何も言わず服を脱ぎ始めた幸を見て、今度は枕を背中に向かって投げた。
「痛っ」
「朝の挨拶がねえんだよばーか!」
シャツを羽織った幸の横を通り抜けて部屋を出た。
「おはようございます」
「……はようございます」
どどん、と一人分のオムレツとサラダとトーストを盛ったプレートをテーブルに出してコーヒーを付ける。
「頂きます」
「どーぞ」
スーツを着た幸がもぐもぐと食べていく。