Fiore Zattera

痛い、と言いながら起き上がったのを見て布団を被って防御に出た。ティッシュケースは返って来なかったので、顔を出す。

何も言わず服を脱ぎ始めた幸を見て、今度は枕を背中に向かって投げた。

「痛っ」

「朝の挨拶がねえんだよばーか!」

シャツを羽織った幸の横を通り抜けて部屋を出た。




「おはようございます」

「……はようございます」

どどん、と一人分のオムレツとサラダとトーストを盛ったプレートをテーブルに出してコーヒーを付ける。

「頂きます」

「どーぞ」

スーツを着た幸がもぐもぐと食べていく。



< 53 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop