Fiore Zattera

コーヒーを飲みながらそれを見て、自分が作った料理を食べる人を見るのは珍しいことだ、と実感する。

幸が来て、変なことばかり起こってる。

「洗濯物あるなら洗濯しとくけど」

「いや特にない。今日休みか?」

「うん。洗濯と掃除して、新菜に会ってくる」

ごちそうさま、と手を併せる。お粗末さま、と頷き返す。

「夜は?」

「ん?」

「今夜の、ご予定は?」

噛み砕いて言われました。馬鹿にでも分かるように、丁寧に。お気遣い感謝。

「ないです」

椅子に片足を乗せてそれを抱く。

「飲みに行きませんか」



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