Fiore Zattera
それを伝えた。幸がたこわさをつまむ。
「なんか違和感があった。壱花が二人と絡んでるのを見たとき」
「そ?」
「派手じゃないところとか。放課後ぎゃーぎゃー遊んでないところとか」
「なにそれ、地味で暗かったってこと?」
笑いながら聞く。確かに髪は黒かった。
しかも、二人がぎゃーぎゃー遊んでるって。その表現が面白い。
「いや、すげー美人だった」
「真顔で言わないでよ」
「本当のことですから。告白もされてたし」
よく知ってるなー、と感心。あたしは幸がどうして彼女と付き合っていたのか、全然知らない。ふと見たら、よく一緒にいるなーと思って、彼女だと思ってた。